FinePix6900Z

ハニカム603万画素と大口径6倍ズームだっ!

<リード>

総画素数330万画素(ハニカム603万画素)の高画質とF値変動の少ない大口径6倍ズーム。テレ端210mm相当でも開放F値は3.1(ワイド側でF2.8)を実現。使い勝手は「ほぼ」一眼レフ機なみか?

<本文>  これだけ市場に出回るデジカメの機種が多くなると、殆ど個人的な趣味の範疇で好みも変わるので単純に人に薦められる機種というのは早々は無い。

 いわば、デジカメも冷蔵庫や洗濯機と同様に「白物家電」化してきているといっても過言ではない。悪い言い方をすれば団栗の背比べ状態である。そんな中で、久々に「これならいいよね!」って単純に人にも薦められる機種がFinePix6900Zである。

 ちょっと頑張って本格的に取り組もうかな、なんて思っている人、あるいは2台目を考えている人にはうってつけのカメラかもしれない。

☆精悍ブラックボディは意外にコンパクト?

 まずは見た目、ファーストインプレッションから入ろう。

 カタログ写真などでは、レンズも大きく一眼レフっぽい大振りなボディを想像していたが、実際に実機を見ると以外と小振り。レンズ口径も大きく明るい(F2.8〜3.1)が、6倍ズームであることを考えるとむしろ相当コンパクトにまとまっていると言えるかもしれない。デザインは4900Zと同じだが、ボディ色がブラックになったので高級感が増した印象だ。CCDが330万画素になった以外は4900Zのマイナーチェンジ版ともとれるがはたしてどうだろうか。

 ボタン類が小さく配置されているので小さすぎて使い勝手が悪くはないかと気になるが、実際に手にしてみると、グリップ感もよいし、ボタンの配置位置も適切なので問題はなさそう。

☆撮影者の立場で考えた操作性と機能

 起動してみる。

 レンズがグイーンと繰り出してきて3秒程でスタンバイO.Kだ。特に早くもなく、遅くもない時間か?
 ファインダーは液晶ビューファインダーか背面の液晶モニターどちらかを切り替えて使う。一眼レフのようでもあるが光学式のファインダーではないので正確には一眼レフとは呼べないだろう。ただ、レンズを通過した光でアングルを確認できるという意味では一眼レフ的ではある。
 こうした液晶ビューファインダーの場合、アングルはよく確認できるが、ピントは良く分からない、というのが常である。その場合は、「フォーカス確認ボタン」を押すと、画面中央部が部分拡大されピント合わせがしやすくなる。

 ズーミングはレンズ横のズームボタンを左手親指で操作するか、あるいは背面の十字キーの上下の部分をグリップした右手の親指で操作するかのどちらでも使えるようになっている。

 意外と重宝するのは「露出補正」ボタンや「情報確認」ボタンだ。撮影者というのはファインダーを覗きながら一体何を考えているか?というと、露出のことや色のことやアングルのことなど、およそ写真のこと全てと被写体となるモノ・人・風景や背景のことなどを瞬時に頭の中で駆け巡らせているのだ。いわばベロシティエンジン全開状態である。
 そんな時に限って、ふと、もう少し明るく補正しようかとか、いま自分のカメラのセッティングはどうなっているんだっけ?などと思うのだ。

 そんな時、直ぐに対応できないカメラはダメである。FinePix6900Zは撮影者の思い入れみたいな部分まで理解して、撮影者の立場で一緒に考えてくれた操作性を実現出来ているカメラだ。その辺の使い勝手はFinePixシリーズの兄貴分S1Proにも通じるものがある。

 S1Proから受け継いだ機能も多く、再生時のヒストグラム表示(情報確認ボタンを押す)や多重露光の機能などがそうであるが、なんと、S1Proでも実現出来ていない機能まで盛り込んである。それは「オートブラケッティング」である。露出のアンダー、オーバーを振り分けて撮影出来る機能で銀塩カメラでも高級機にしか無い機能だ。

 設定メニュー類の階層の振り分け方なども理に適っていて従来のFinePixシリーズ同様、マニュアルを読まなくても分かるぐらいだ。

☆当たり前のことが当たり前に出来るカメラ

 それでは撮影してみよう。 CCDは総画素数330万画素の第二世代「スーパーCCDハニカム」を採用。記録画素数は2832×2128画素で約603万画素相当である。

 600万画素超というと、相当凄い画質になるはずだが、プロ用機のリアル600万画素とは(CCDの大きさ自体も違うし、)比較できない。実画素が約330万画素しかないので、ハニカム出力で603万画素に補完したからといって単純に情報量も二倍になるとは思えない。

 確かに過度の期待は禁物であるが、大伸ばしプリントをする時などは高画素のよさが生きてくるだろう。  個人的には330万画素の実画素に近い「3Mモード」こそが身の丈にあった最高画質だと思われるのだが、、、

 なんだか悪口を言っているようにも誤解されかねないが、そうではなくて、ハニカムに頼らなくても充分に高画質だ、と言いたいのだ。
 実際に撮影した画像を観察してみると、シャープネス、彩度共に高めでメリハリが利いている。シャープネスはハードからソフトまで3段階で設定できるが一番「ソフト」でも絵柄によっては利きすぎているかもしれない。しかし後処理を前提としない一般のアマチュアにとってはこれぐらい強めのほうが使いやすいだろう。

 色再現性は納得のFinePix調、つまり銀塩のベルビア調である。

 オート撮影機能やマニュアル撮影機能についての説明は省略する。当たり前のことを当たり前に説明しても文字の無駄遣いになるからだ。
 つまり、筆者のようなプロカメラマンの立場で、当たり前だと思っている機能はほぼ備わっているからだ。もちろん、何もわからない初心者の方でもとりあえず「AUTO」にしておけば何の心配もなく「写る」ことも付け加えておこう。

 通常の撮影でもバッファメモリが効いているので撮影間隔のレスポンスは良い(約1秒)。筆者は外部ストロボを使った時のチャージ時間よりも短い間隔で反応できれば全くO.Kだと思っている。それ以上を望む場合は「連写」ボタンを設定すると、秒間5コマ(5コマまで)の連写も可能だ。

 最長スローシャッターは3秒。ちょっと物足りないがよほど特殊な撮影でないかぎり、夜景程度なら充分だ。

 EBCフジノンレンズは一般の方にはあまり馴染みはないかもしれないが、プロフェッショナルの間では定評がある。4×5用のレンズは殆どがフジノンかニコンだし、業務用ビデオカメラの世界ではフジノンかキャノンが主流だ。
 6倍ズームでありながらF値変動が少ない(F2.8〜3.1)のも評価できる。絞り値は最小絞り値のF11まで1/3ステップずつ13段階切り替え。外部ストロボも使えるし、ワイド&テレコンバージョンレンズもオプションで用意されている。アダプターリング(別売り)を使えば各種フィルター(55mm)の使用も可能。

 バッテリは専用のリチウムイオンバッテリだ。単三程度の大きさで大丈夫か?と思うが、これが意外と持ちはいい。とは言うものの、予備バッテリも最低1本は用意しておきたいところだ。

 一応動画機能も付いているが、320×240、10fps程度なので、基本は静止画重視のカメラだ。

☆インターネット連動の新ビューアーソフト

 全体的な印象を一言でまとめると、「それなり」に良く出来たカメラだ。しかし使い勝手の良さと定価が135,000円ということを考慮すると、これは絶賛に値するくらいの良く出来たカメラかもしれない。本物の一眼レフデジカメではないという後ろめたさなんか吹き飛ばして堂々と使ってしまえばよい。

 最後に、今回富士フイルムが提唱しているのが「ピクチャーザフューチャー」と呼ばれるビューアーソフトとインターネットが一体となった新システムだ。このFinePix Internet Serviceに加入すれば付属のビューアーソフト(FinePix Viewer)を起動し、ビューアー上のメニューから写真入りホームページやアルバムの作成をしたり、画像添付メールの作成、などが出来る。FDiネットプリントサービスに直接アクセスしたりすることも可能だ。

 ん〜、なんだか21世紀的だね。

評価  操作性 4.5  機能性 4.5  画質  4


サンプル画像

クリックすると原寸大のデータをダウンロードします(約1.2MB)


マックファン2001年7月1日号掲載原稿より

Works Indexへ



update 2001.10.1
Hiroshi Takezawa