富士フイルム GA645 Zi


 フジフイルムGA645シリーズにズームレンズ搭載のGA645Ziが加わった。
 通常セミ判とも呼ばれる6×4.5cm判は35mm判に比べ約3倍のフイルム面積を持ち、ステップアップを目指すアマチュアにとっては充分魅力的な高画質を得られるサイズである。
 同時に普段6×6cmや6×7cmを多用するプロにとってもその撮影可能枚数(120フイルム使用時、6×7cm判で10枚だが、6×4.5cm判だと16枚)など経済性で優位にたてるという意味で「面白いサイズ」でもある。

 GA645シリーズは中判(6×4.5cm)カメラでありながら、オートフォーカス、自動露出、自動巻き上げなど35mmコンパクトカメラなみの使い勝手を実現し、35mmカメラに飽き足りないアマチュアユーザー層からも広く支持を得られたことで、いわば中判カメラブームを作り出した立役者でもある。

 これまでGA645iがf=60mm、GA645Wiがf=45mmのそれぞれ単焦点レンズであったが今回のGA645Ziはf=55mm〜90mm(35mm判換算でf=34mm〜56mm相当)のズームレンズが搭載されたことが最大の特長である。いままでどちらかというと風景やスナップなどが中心だった撮影領域をさらに広げたといえよう。

☆ズームレンズ

 レンズは10群10枚構成のスーパーEBCフジノンF4.5/f=55mm〜F6.9/f=90mm。
 電源OFF時には沈胴し、コンパクトに収まるようになっている。フィルター径はφ52mmで従来シリーズと同じである。
 望遠側でF=6.9というのはやや暗い気もするがカメラ全体のコンパクト性とズームの利便性を考えるとしかたのないことか?ポップアップ式の内臓ストロボもあるので、高感度フイルムと組み合わせれば通常のスナップなどでは支障はないだろう。
 フォーカスはアクティブ、パッシブ両方式の利点を生かしたハイブリッド方式のオートフォーカスを採用。マニュアルフォーカス時は1m〜20m、赤外のあいだの15点切り替え式である。
 実はこのズームレンズは55mm、65mm、75mm、90mmの4段階なので、もう少し正確な言い方をするなら「バリフォーカルレンズ」と言ったほうがよいのかもしれないが、実際使ってみると体感上は殆ど連続的に感じられるぐらいの程度である。
 ズームレンズを採用したことでファインダーも実像式ズームファインダーに変更されている。これまでよりもレンズの近くにファインダー窓がきてるのでパララックスは小さくなったといえるが、ファインダー内でも自動補正され、液晶ブライトフレームで表示されるのでほぼ正確にフレーミングできる。

☆細かい変更点

 ボデイは鮮やかなシャンパンゴールドのチタンボデイを採用。デザイン面でも変更があり細かな点まで改良されている。
 まず、グリップ形状が変わりシャッターボタン位置がやや下にきたことでより手になじむ形になった。
横位置に構えたとき(6×4.5cm版では通常の構えで縦位置)にも手を持ち変えることなくスムーズに撮影できるようになった。
 セレクトダイヤルやUP/DOWNダイヤルなどを右手側に集中したことで撮影中の露出補正やモード切り替えなどが素早くおこなえるようになった。
 外部ストロボを使う場合、これまではアクセサリーシューを利用し、アダプターを取り付けることでシンクロコードを接続していたが、ボデイ側面に別途でシンクロターミナルがついた。
 レンジファインダーカメラにありがちなレンズキャップの取り忘れを防止するキャップセンサーを搭載。ファインダー内のフレームが点滅して警告する。
 120/220フイルムの切り替えはこれまでもバーコードシステムにより自動的に判別できたが実際の圧板位置の移動は手動で切り替えなくてはならなかった。それがフイルムの判別だけでなく、圧板の切り替えも自動化された。(この圧板というのはフイルムの裏側からフイルム面を押えるもので、遮光紙付の120フイルムと遮光紙のない220フイルムとでは厚みが違うためその位置を微妙に切り替えないとピント面がずれてしまう)もちろんバーコードシステムに対応していないフイルムでは手動で切り替えなくてはならないが、、、。

 こうしてみると、ズームレンズがついたことが最大の特長ではあるが、実は細かい点まで改良されていることがわかる。

 撮影モードはプログラムAE(P)、絞り優先AE(A)、絞り優先でスローシンクロまでカバーする(AS)、そしてマニュアル露出が選択できる。
 従来からのフイルム感度や種別の自動読み取りに加えて圧板の自動切り替えを実現したバーコードシステム。
 遮光紙とフイルム面とを感知するセンサーがあるためスタートマークを合わせなくともきちっと1コマ目をセットする自動給送。もちろん撮影中の巻き上げ、撮影後の巻取りも自動。画面外への撮影データ写し込み機能にはさらに焦点距離とストロボ発光の有無が記録されるようになった。

 こういった様々な便利な機能はいわば中判ビギナー向けともいえるが、たぶん「便利なコト」というのはプロにとっても便利なはずで、その意味ではビギナーからプロまで使えるカメラといえる。


コマーシャルフォト 98/8月号掲載原稿
発売当時の古い記事でしたが、お読みいただきありがとうございました。
GA645はいまだに現行商品のようです。

 

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update 98.11.8
Hiroshi Takezawa